
興も含めてつくりかえられてきたというようなことでございまして、これも関係の皆様方の御支援のたまものであると、この場をおかりしてお礼を申し上げたいわけであります。
ウォーターフロント開発について、私は今、1つの転機を迎えたのではないかというふうに感じております。日本のいわゆるバブル経済が崩壊した後、かなり長期にわたる景気の停滞があるわけでありまして、その中で民間企業の投資意欲といったものもいささか減退しつつあるという状況にあります。私どもの管内は近畿、中国、四国と、この2府12県に及ぶわけですが、幾つかウォーターフロント開発のプロジェクトが動いてはおりますし、また現実営業を開始したものもかなりあるわけであります。しかし、それらはいずれも採算性とかあるいは集客力といったようなことでなかなか難しい段階にあるというのも見られる状況であります。新しい制度、民活法といった法律の裏打ちの中でスタートし、しかも港の再開発という、そういうものとの結びつきの中でウォーターフロント開発が日本全国展開され、まあまあうまくいってたわけでありますが、そのあり方についてもう一度またこのようなシンポジウムの場などを通じて議論するというのも、時宜を得たものかなと考えているところであります。
私ども、いろいろな方とお会いしておりますと、そういう中でやはり海を目指す人々の心、これはどうも不変ではないかというふうに感じることが多うございます。海を見ているときに感じる心の安らぎだとか、そういったものが、どうも人間の本心、心の底に根づいてるのではないかと感ずることが多いわけでございます。この管内におきましても、そういうような意味からウォーターフロント開発、引き続き知恵を絞りながら実施をしていきたいと考えてございますし、神戸港の復旧、復興の中でも、このウォーターフロント開発が1つの大きな課題だというふうに認識をしているわけでございます。後ほど港湾管理者であります神戸市の方からそのようなお話も例えるのではないかというふうに思います。
私ども、昨年の11月に大阪湾全体の将来のあり方といったものをぺーパーとしてまとめ、公表をしたわけでございます。大阪湾の基本構想ともいうべきもので、15年程度先を見ながら、そのあるべき姿といったものに触れたわけでありますが、その中で大阪湾の持つこの豊かな自然というもの、それと共生する臨海部の開発空間の利用のあり方といったものについて議論をし、これも触れておりますが、特に大阪湾全体をある意味で自然と共生する実験場として見つめ、その中でいろいろなことの対応をしてみたいというふうにも提言をいたしております。いわゆる持続ある発展、サステーナブル・ディベロプメントという、そういう思想をこの大阪湾で現実にテストケースとしてやってみたらどうかという考え方でありますが、そういうことも含めまして今後またウォーターフロント開発、私どもとしては全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えるわけでございます。
本日のこのシンポジウムが大変有意義な成果を得られますことを心からお祈りを申し上げまして、地元建設局長としてごあいさつとさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
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